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所沢市山口民俗資料館では、保存会活動のひとつとして、山口地方の地場産業であった所沢飛白(かすり)の復元を行なっています。
所沢飛白は、江戸時代末期の文化年間に多摩地方の現東京都東大和市や武蔵村山市において発祥し、明治維新前後に山口地方へと伝えられました。明治時代には右肩上がりに生産量を伸ばし、明治39年(1906)には年産120万反を記録して全盛期を迎えます。しかし、大正時代には漸次売り上げが下降線を辿り、昭和初期の世界恐慌時代にはその煽りを受けて大暴落に陥ります。さらに、昭和4、5年(1929、30)には所沢飛白の主産地であった勝楽寺と上山口の一部が山口貯水池(狭山湖)の湖底に沈むこととなり、移転を余儀なくされた機屋の多くは、これをきっかけに生産に見切りをつけました。そして、昭和10年代前期には、かつて大いに人気を博し、全国に名を知られた所沢飛白の製造は、その歴史に幕を閉じることとなったのです。
月日は流れ、平成元年(1989)、所沢飛白の機屋を営んでいた中村義平さん(明治39年生)とフジさん(明治42年生)夫妻、中村美代治さん(明治41年生)とヨネさん(明治42年生)夫妻のご協力を得て所沢飛白の復元が実現しました。そのようすは、『所沢飛白を復元する』と題して動画に記録され、現在山口民俗資料館にてDVDを放映しています。
所沢飛白の歴史と技術を後世に伝えたい。その思いで平成13年(2001)、山口民俗資料館において所沢飛白の復元活動が始まりました。中村さんたちの技術を踏襲し、資料館に収蔵展示されている明治・大正・昭和初期の機織り道具を使っての復元です。毎月第一日曜日の午前10時頃から午後2時頃まで、復元作業を行なっていますので、逐次見学できます。但し、使用している機織り道具のほとんどが「所沢絣[附]製作用具」として所沢市有形民俗文化財に指定されており、使用には細心の注意が払われていますので、来館の際の体験学習はできません。ご了承ください。
現在は、復元第七作目の「井桁」の糸を準備しています。
お時間がありましたら、ぜひ見学にお立ち寄りください。
2026/2/12
山口民俗資料保存会 所沢飛白勉強会 宮本八惠子・小峰和子
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